雲南 プーアル かもめの天空農園 ナチュラル ダブルファーメンテーション

発酵によって生まれる複雑な香り

精製 嫌気性発酵 ダブルファーメンテーション
標高 1,700m
品種 カティモール
クロップ年 2024年5月入港
乾燥 機械乾燥
規格 Commercial Grade I(YCE-C1)
おすすめ焙煎度 ライト~フルシティ
フレーバーノート stone fruits, winey, citric, ume, complex, bright, good-body
栽培・農薬の使用 シェードグロウン
梱包 30kg麻袋+グレインプロ
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雲南を精製方法別に飲み比べ【焙煎プロファイル付】
商品管理番号 U531-240
生産地 雲南省 プーアル市 ランソー
精製 嫌気性発酵 ダブルファーメンテーション
標高 1,700m
品種 カティモール
入港月 2024年5月入港
生産者 天空農園 農園管理者 曾(ソウ)さん
乾燥 機械乾燥
サイズ 15UP
認証 なし
栽培・農薬の使用 シェードグロウン

2025年度の入荷について

誠に残念ながら、今年度の入荷は見送ることになりました。
品質が基準に満たなかったことと、仕入れ価格の高騰が重なったためです。
代替商品もご紹介しておりますので、ぜひ参考にしてみてください。

【代替商品】
・ウガンダ ルウェンゾリ ドンキー アフリカンムーン ナチュラル A(入荷済み)
・コスタリカ タラス ナチュラル(入荷予定:7月)
・インドネシア クリンチマウンテン コピ ジェルク ナチュラル(入荷予定:9月)

      
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生産国:中国

生産地:雲南省 プーアル市 ランソー

生産者:天空農園 農園管理者 曾(ソウ)さん

beans

精製方法:嫌気性発酵 ダブルファーメンテーション

水分値:11.5%

密度:683g/L

水分活性値:0.65Aw

欠点率:2.8% 8.4g/300g

豆色:Brownish

Light Roast(浅煎り)
梅や黄桃を思わせるようなフルーツ感、ふわりと香るリキュールフレーバー。層をなすように口の中に広がり、アフターでも長く続きます。

Medium Roast(中煎り)
ボディと甘味が発達してきます。明るさのある酸味が味わいに厚みを持たせ、印象的なフレーバーだけの味わいになりません。

Dark Roast(深煎り)
深く焙煎しても、ワイニーな印象はしっかりと残ります。インパクトのある深煎りやアイスコーヒーをお求めの方にピッタリです。

今年で4年目のご紹介となる天空農園のクロップです。オーナーの曾さんのご意向もあり、現在の天空農園では機械乾燥による生産が主流です。機械乾燥とはいえ日々乾燥機の微調整や温度管理に余念はありませんが、天日乾燥とは異なり短い日数で仕上げることから、アフターが少し短く、ボディ感が弱くなる傾向があります。今回のロットでは価格とのバランスをとり、スコア80~82点(SCA方式)のコーヒーに仕上げていただいたものを買い付けています。豆色や味わいのバラつきもあり、ハンドピックは必要ですが、昨年までのものとは味の系統が異なり、黄桃のようなストーンフルーツも感じられる、柔らかな印象のナチュラルのコーヒーです。他のコーヒーのフレーバーの妨げにはならず、ブレンド使いにもお試しいただきたい商品です。

まるで東南アジアな気候と民族の多様性

雲南省があるのは中国大陸の西南部、ミャンマーとラオス、ベトナムと国境を接し、様々な民族が暮らす多様性あふれる地域です。日本から上海を経由して雲南省へ向かいました。まだひんやりとした寒さの残る3月上旬、日本とそれほど気候の変わらない上海、そこから飛行機で4時間ほどをかけてたどり着いたのが雲南省の空の港、シーサンパンナという街でした。空港の外へ出てみるとじめっとした暑さを感じ、まるで東南アジアの国にいるかのような気候でした。
ミャオ族にタイ族、イ族……街を歩けばきらびやかな民族衣装を着た人々に目を奪われます。「花の髪飾りを付けてキラキラとした衣装を来ているのはタイ族、青と黒が特徴の衣装にかつらのような髪飾りを付けているのはイ族、ミニスカートに前掛けをしているような衣装はミャオ族だよ」案内してくださった現地パートナーの曾さんが教えてくださいました。ちょうどその日は日曜日、たくさんの人々がそれぞれの民族衣装を身に着けて街の市場へお出かけをしていてとてもにぎやかでした。国境の街ならではの様子がそこにはありました。

曾さんと「かもめ」の名前に隠された意味

私たち海ノ向こうコーヒーの現地パートナーになってくださっているのが曾さんです。日本人の父親と台湾人の母親のもとに生まれた曾さん、日本にもルーツを持つ台湾人で若い頃には日本の企業で働いたこともあったそうです。「若い頃に2,3年日本で働いたこともあったけれど、なんとなく日本社会が合わなくてね……結局台湾に戻ろうと決めたんだ」。その後、台湾の不動産関連の会社の駐在員として雲南省に赴任したのが、この地と曾さんの出会いのきっかけでした。土地の調査で雲南省のプーアル市を訪れた曾さんは、そこでお茶やコーヒーが栽培されているのを初めて知ったそうです。コーヒーの農家さんを訪ね歩き気づいたことは農家さんはコーヒーを全く飲まないということ。当時の中国のコーヒーの流通では、生産されるコーヒーのほとんどが大手のコーヒーチェーンへ流れていくのが主流でした。上海などの都市部ではコーヒーの消費も右肩上がりの状態。

これからは地方都市でも消費が伸びるだろうと、中国国内のマーケットへ参入の可能性を感じた曾さんは、品質の高いスペシャルティコーヒーをつくり雲南省で雲南のコーヒーを広めていこうと動き出しました。雲南のコーヒーがそこからいろんなところへ飛び立って行ってほしいという想いと、台湾から飛び込んできた自分の姿を「かもめ」の姿に重ね、自らの農園に「かもめの天空農園」と名付けたそうです。農園や加工場を管理すると同時にプーアル学園のコーヒー学科で教鞭をとり、次の世代の生産者の育成にも力を入れています。「プロセスで大事なのは水と空気、温度、時間。発酵ひとつでウォッシュでも甘さとコクが出るんだよ。乾燥も乾燥用のテーブルで乾燥させて見たり、地面でやってみたり、乾燥機でやってみたり、いろいろ実験してみている。新しく取り組み始めた産地、易武(イーウー)はパナマやコロンビアの気候に似ている。いいコーヒーが採れるはずなんだ。ゲイシャにパカマラ、SL、カトゥアイ……いろんな品種を植えてみようと思っているんだ。」と、夜がふけるまで曾さんのコーヒー話は尽きませんでした。

パートナーシップを大切に

曾さんは各地域の農園の近くにある加工場とパートナーシップを結んで加工にも力を入れています。曾さんのコーヒー生産の特徴は、農家さんや加工場との連携が上手なこと。日々のコミュニケーションのもと協働して毎年設備にも改善を加え、大掛かりな発酵用のタンクを導入したり、乾燥機の攪拌用のプロペラにも均等に乾燥できるよう工夫を加たり、シェイドドライ用のハウスやアフリカンベッド、パティオなどマイクロロットを生産できるよう様々な乾燥工程に取り組めるような設備を導入しています。「なかなか時間も労働力もかかるんだけれど、お客さんの要望にこたえられるようなコーヒーをつくっていきたい。」と曾さんはいいます。高台から見渡せる乾燥場はまるで中南米の生産国を思わせるもののよう。その奥に雲南の山々を望む景色は圧巻です。そんな景色を後ろに、「いい景色だろ~、ここではいいコーヒーができるんだ」と自身に満ち溢れた表情でずっしりとかまえる曾さんの姿がありました。

商品資料・販促用POPデータ

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