ネパールのコーヒー栽培歴史
ネパールでのコーヒー栽培は、1938年にヒラ・ギリさんがビルマ(現ミャンマー)からコーヒーの種子を持ち込み、グルミ地方に植えたことに始まります。当初はほとんど注目されることなく、長らく小規模な栽培が続きました。しかし、1970年代後半、政府が主導してインドから種子を輸入・配布するとともに、グルミ地方をコーヒー生産地域として指定したことで、ネパールにおける商業的コーヒー生産が本格的に始まりました。
1990年代には、ネパール全土でコーヒー農園の拡大と生産量の増加が進み、コーヒー産業を管理・統括するための制度的な仕組みの必要性が認識されるようになりました。その結果、Nepal Tea and Coffee Development Boardが設立され、生産組合や農家の組合なども発足しました。
2002年頃からは、国内外のマーケット拡大に伴い、コーヒーが換金作物として注目されるようになりました。近年では、トウモロコシ畑や水田をコーヒー栽培に転用する生産者も増えています。