イエメン モカハラズ ファーマーズギフト
イエメンはここまで美味しくなる。農家さん渾身のロット
商品管理番号 | U877-230 |
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生産地 | サナア州 マナーカ ハラズ地域(ジャルマ村、アバラット村、バニーアフラス村、アーマール村) |
精製 | ナチュラル |
標高 | 1,900-2,200m |
品種 | ジャディ、ダワイリ、ウダイニ(古代ティピカ) |
クロップ年 | 2023年11月入港 |
生産者 | ハラズ地域の村々の小規模農家さん |
乾燥 | 天日乾燥、アフリカンベッド |
サイズ | 15UP |
認証 | なし |
栽培・農薬の使用 | 混植栽培、栽培期間中 農薬化学肥料不使用 |
INFORMATION
- おすすめ焙煎度:ライト~フレンチ
- 梱包:30kg麻袋+エコタクト
- フレーバーノート:spicy, grape,red-wine, peach, starawberry,jasmin,lactic,good-body, smooth, long-after
焙煎度を変えた香味情報
Light Roast
Medium Roast
Dark Roast
BUYER COMMENTS
フレーバーの塊のようなロットですが、豆は固く、深煎りの方が比較的簡単にフレーバーを引き出しやすい印象を持ちました。浅めの焙煎で綺麗な酸味やフレーバーを出すためには、1ハゼ前にじっくりと熱を入れ、ディベロップの時間を長めにとることがポイントになりそうです。徹底的な選別により作られるクリーンカップは、従来のイエメンのコーヒーでは出会うことのできない体験です。是非このロットでお楽しみください!
OUR STORY
農家さん渾身のロット
農家さん単位のナノロットは、他の生産国を探しても出てこない、ユニークなフレーバーと素晴らしい品質を誇っています。しかしながら高額になってしまい、沢山のロースターさんにお届けできないという課題を持っていました。「ナノロットと同等レベルの品質で、もう少し価格を抑えたものはできないか?」そんな声を受け、作ったのがこのファーマーズギフトです。今回はハラズ地域の4つの村の、約300名の小規模農家さんが育て、ナノロットを作る際と同様レベルの加工を行ったコーヒーを集め厳選しています。
標高がとても高く、日中の気温の低いイエメンでのアフリカンベッドを使用したチェリーの乾燥プロセスは、他の生産国よりも長期間、高頻度での撹拌作業が求められます。さらに従来ほとんど行っていなかったハンドピックを欠点がゼロになるまで繰り返し続ける必要があります。このような手間暇のかかるプロセスを経て出来上がるコーヒーは、フレーバーに富み、クリーンカップが素晴らしい品質になります。
この商品を作るには沢山の農家さんの協力が必要となります。今回実現できたのは、イエメンコーヒーの普及に尽力し、現地でのナノロット作りを繰り返し訴え続けてきた輸出会社Mocha Originesの地道な活動の賜物。いわばイエメンの集大成のようなコーヒーなのです。
15世紀にはコーヒーの栽培をしていた記録があるイエメンですが、その歴史のあるイエメンコーヒーの遺伝的多様性についてはこれまで研究されてきませんでした。2020年にQima Coffee社が中心となったアラビカ種の遺伝的多様性についての共同研究が行われ、その結果今まで知られていなかったイエメン特有の進化を遂げたであろう母体品種として、「イエメニーア」が発見されたと発表されたのです。研究の概要は簡単に言うと、エチオピア系統の品種を72種・世界中で栽培されている品種を20種・イエメンの主要栽培地域の品種を45種の計137種のDNAを分析しました。その結果、それぞれが遺伝的に異なる5つの集団に分かれたのです。
・エチオピア単一品種群
・SL-17品種群
・Yemen SL-34品種群
・Yemen Typica-Bourbon品種群
・New-Yemen品種群
「New-Yemen」という品種群が今まで発見されていなかった特有の遺伝子をもつもので、イエメニーアと命名されました。 イエメンの農家さん達は、この発表がされて当時騒ぎになったようです。それもそのはず、今まで先祖代々受け継いできた由緒あるコーヒーの木はそれぞれ木の形や葉の形から、ジャディ・ダワイリ・ウダイニ・トゥファヒ等と名前がついているのに、イエメニアという新品種が見つかったと発表されたのですから。 この研究は品種群が発見されたところで止まっているため、イエメンでもともと名前のついている品種がこの5つの品種群のどこに属するのかまで特定されていな状況です。そのため、海ノ向こうコーヒーとしては昔から呼ばれている名前(古代ティピカ)とイエメニーアという名前を併記しています。 2050年問題として物議をかもし、気候変動にも耐えうる品種の開発が急がれている昨今。かつてモカ港から世界中に伝播していったコーヒーが数百年の時を経て、厳しい環境を耐え抜き独自の耐性を獲得したイエメンコーヒーが、新品種発見という話題性のある内容の裏で、この研究が進むことによって、2050年問題の解決の糸口になるのかもと思うと胸の熱くなる想いがありますね。
モカオリジンズとイエメンの内情
品質の高いコーヒーを作り、より多くの人にイエメンのコーヒーを届けたいと活動しているのが、アル・モガヘッド・タレックさんです。
イエメン出身のタレックさんは、2014年に日本の大学に留学されました。ちょうどその頃から、母国イエメンでは内戦が激化しました。
イエメンに住む家族と電話する度に空爆の音が鳴り響いていたそうです。母国のために何ができるのか、タレックさんは考えました。
「コーヒーが、内戦で疲弊したイエメンの経済を救うかもしれない。そして、コーヒー栽培できちんと生活ができるようになれば、カートの乱用も減るはず。」
そんな思いから、大学卒業後に日本人とともに「モカオリジンズ社」を立ち上げました。社名のモカオリジンズには、「イエメンのモカ港がコーヒー輸出の起源である」という意味が込められています。
農家さんと一緒にコーヒー作りに取り組むのは、現地に住むタレックさんの兄、コサイさん。タレックさん兄弟は、「市場価値の高いスペシャルティコーヒーを作り、高値で売ることができれば、農家に多くの利益を還元できる」と考えました。
高値で売れるコーヒーを作るためには、徹底した品質管理が必要になります。特に重要なのが収穫の際、しっかりと熟したコーヒーチェリーだけを選んで収穫することです。それは、農家さんにとってはとても手間のかかることなのですが、コサイさんは、農家さんに向けて何度も発信し、呼びかけ続けました。今では多くの農家さんがコーヒーチェリーの収穫のタイミングを守るようになり、品質の揃ったコーヒーが作れるようになりました。
このような農家さんたちのたゆまぬ努力が、品質の高いおいしいコーヒーを作り出しているのです。
「助けは、求めていないんです。」とタレックさんは言います。
おいしくて品質の高いイエメンのコーヒーが評価され、多くの人に楽しんでもらうことが、イエメンの国の経済や戦下を生きる人々のためになる。
イエメンに平和が訪れること、そしてコーヒーを通して多くの方にイエメンを身近に感じていただけることを祈りながら、希少なコーヒー豆を皆さんにお届けします。