アジア版「千の丘」 ユアンガン
ユアンガン地方はシェミェナオミェ山脈を境にコーヒー産地として有名なピンダヤ地方と隣接し、丘陵地が広がる「アジア版のローリングヒルズ」とも呼ばれる風景を持つ地域です。
農園は住宅や牛舎と一体となった1haほどの敷地で営まれ、ガーデンコーヒーに近い形態です。栽培はアグロフォレストリーの形態をとり、シェードツリーの下でコーヒーと共にアボカドやバナナ、お茶、柑橘類、マカダミア、ジャックフルーツなど多様な作物が育てられています。農薬や化学肥料は用いず、牛糞や堆肥を中心とした有機的な農法が一般的です。
この地域は赤土の酸性土壌でコーヒー栽培に適している一方、地下水はアルカリ性寄りで発酵に時間がかかる特性があります。収穫期は乾期にあたる11月〜2月で、昼夜の寒暖差が大きいことも高品質なコーヒーづくりに寄与しています。年間降水量は1,800mmと少なめですが、シェードツリーによって園内の湿度が保たれ、幹の表面には、湿度が高い栽培地で見られる苔や地衣類が繁殖しています。