スマトラ島の富士山、クリンチマウンテン
インドネシアのスマトラ島にあるクリンチマウンテン。標高3,000メートルを超え、現地で「神の永住地」とも呼ばれる美しい山で、国立公園にも指定されています。山の高さも形も、まるで富士山のようです。
そのクリンチマウンテンのふもと、標高1500メートルほどのところ、カユアロ地域、カユアロバラット地域、グニュントュジュ地域の3つにまたがる地域一帯がコーヒーの生産地です。霧がかかっているかと思うと青空が顔をのぞかせ、晴れたかと思うと雨が降る、天候の変わりやすい地域です。
人々は、山から流れてくる水を農業や生活用水に使い、山の自然の恵みとともに生活を営んでいます。広大なクリンチマウンテンを望むその裾野には、じゃがいもにキャベツ、唐辛子などの農作物と一緒にコーヒーの木が植えられている畑が広がっています。見渡す限り一面に広がるお茶畑も印象的な光景です。
この地域では年間を通してコーヒーの収穫が行われます。
「これはあと2か月後に収穫するもの、これは4か月後、これは9か月後かな……」
同じ1本の木に小さな蕾も、花も、みどりの実も、黄色い実も、もうすぐ収穫を迎える赤い実もなる様子はこの土地ならではの様子です。