タイ ドイサケット アナエロビックブラックハニー
優しく綺麗なフルーツフレーバー
商品管理番号 | U994-241 |
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生産地 | チェンマイ県 ドイサケット地区 |
精製 | アナエロビックブラックハニー |
標高 | 1,100~1,450m |
品種 | ティピカ |
入港月 | 2024年9月 |
生産者 | The Intakad Family(Nuiさん&Aoiさん) |
乾燥 | アフリカンベッド |
サイズ | 15UP |
栽培・農薬の使用 | シェードグロウン |
INFORMATION
- おすすめ焙煎度:ハイ~シティ
- フレーバーノート:berry, plum, stone fruit, pepper, brown sugar
- 梱包:30kg麻袋+グレインプロ+ポリエチレン+綿袋
焙煎度を変えた香味情報
Light Roast
Medium Roast
Dark Roast
BUYER COMMENTS
タイのアナエロビックブラックハニー
嫌気性発酵の工程が加えられたロットです。嫌気性発酵といえど強い発酵感ではなく、優しいフルーツフレーバーを感じられます。また、きれいな酸質や甘さ、質感の良さからは生産者たちの丁寧な仕事ぶりを感じられるコーヒーです。
AREA NOTE
チェンマイ都市部から車で1時間ほどにあるドイサケットは、標高の高い山々に囲まれた豊かな自然環境があり、コーヒーの生産には適した気候条件が整っています。主にタイ族が多い地域ですが、チェンマイ・チェンライ間を結ぶ道路ができたおかげで、近年では他民族だけでなくさまざまな国籍の人が居住する地域となっています。豊かな自然環境のおかげか、複雑な味わいとフルーティな味わいが特徴的です。
STORY
貴重なティピカを守り続ける
Nui&Aoi夫婦の生産した実験ロット。
このロットでは、コーヒーチェリーを5日間タンクで嫌気性発酵をさせた後、すぐに果肉除去。その後ミューシレージのついた状態でアフリカンベッドで乾燥させます。
最近では、収量が多い品種やさび病耐性品種に植え替えを行う農家さんが多いのですが、この農園では樹齢3~40年のティピカを大事に育てていて、大変貴重な品種となっています。
発展を続けるタイのコーヒーシーン
タイ産コーヒーの歴史において、アラビカ種の栽培は1970年代初頭に始まり、80年代には農業として確立されていきました。その主導権を握ったのが、当時のタイ国王。かつてタイ北部はゴールデントライアングルの一角として、ケシ栽培が盛んに行われていました。しかし、麻薬の原料となるケシが地元住民の健康に害を及ぼすなど深刻を極めたため、当時の国王のラーマ9世は麻薬の撲滅を始動して、ケシの代わりにコーヒーや果物の栽培を推奨しました。これが、「ケシ栽培撲滅ロイヤルプロジェクト」です。
平均年齢が38歳と若く、めざましい発展を遂げているタイ。中米などコーヒー生産国として長い歴史をもつ産地では農園主の高齢化や跡継ぎ不足が問題になっている中、タイでは若い世代がコーヒー栽培を始めています。彼らの特徴は、世界の消費国や生産国のトレンドや動きを捉え、自分たちのコーヒー栽培にすぐ取り込む柔軟さ。
彼らが熱意を向けているのは、生産量1トンにも満たない、「超マイクロロット」とも呼べるコーヒーづくり。栽培からはじまる全ての工程をこだわり抜いたその品質は、メジャーな生産国に引けをとることはありません。しかしながら経済が発展したタイにおいて、高品質な超マイクロロットは国内消費に回ることがほとんど。そのようなロットに出会う機会が少ない日本では、まだまだタイのコーヒーへの関心は高いものではないのが実情です。
今回ご紹介するコーヒーは、そんな新進気鋭の生産者たちが手がける超マイクロロット。日本でも自分たちの実力を知ってもらいたいと、熱い気持ちを持って生産していただいたコーヒーです。
The Intakad Family(Nuiさん & Aoiさん)
1970年代後半、タイ王による「アヘン撲滅プロジェクト」の一環として、この地で最初のアラビカの木が試植され、他の地域とは異なり、ティピカ種などが多く植えられました。これらのコーヒーの木は樹齢30~40年。多くの農家さんは低収量を補うために、ティピカ種からさび病に強い開発品種に置き換えたため、ティピカ種は現在では希少な品種となっています。NuiさんとAoiさんは先祖から授かった伝統的なティピカ種を守り続けていきたいと考えています。
元システムエンジニアと元公認会計士をしていた彼らは、9年ほど前に実家の農園を継ぐために戻ってきて、クリーンで味わいの深いコーヒーの可能性を探っています。お2人はともに30代と若く、様々な精製方法や乾燥方法を試し、品質を突き詰めていく様子から毎年ニュークロップが楽しみな生産者さんです。3歳のお子さんと一緒に楽しんでコーヒーを作る姿に、この人達は本当にコーヒーが好きなんだなぁと感じます。
BEANSPIREについて
ドライミルを所有している海ノ向こうコーヒーパートナーのビーンスパイアーは、タイ各地のコーヒー生産者からパーチメント/ドライチェリーで購入し加工をおこなっています。タイ国内でもその名はとても有名で、スペシャルティコーヒー産業が最盛期を迎えているバンコクでは、そのほとんどのロースターが国内のスペシャルティコーヒーといえば、ビーンスパイアーから購入するのが当たり前となっています。代表のフアディさんは現在大学の教授としての顔も持っており、国際関係学を学生に教えているそうです。海外留学をしているときに、どのカフェに行ってもタイのコーヒーを全く見かけなかったことがきっかけで、タイのコーヒーをもっと世界へ!との思いを胸に会社を立ち上げました。
車一台でトランクにIkawa(サンプルロースター)と大量のサンプルを積み込み各産地を周りながら、そこの農家さんと一緒にカッピングをする。ただ購入するだけではなく、生産者さんに自分の品質を理解してもらいたいという想いで、夜遅くなっても必ず生産者さんとカッピングするように心がけています。ドライミルの設備も素晴らしく、石取り・脱殻に始まりサイズ選別・比重選別をしっかりとコントロールしながらおこなっています。仕上げは手選別(ハンドピック)にて行われています。時に優しく、時に厳しく生産者と接するフアディさんを見ていると、ビーンスパイアーから学ぶことはとても多く、彼らの事業をもっと成長させていくことが生産者への還元につながるのだと理解できます。「生産者~パートナー会社~海ノ向こうコーヒー~日本のロースター」の繋がりをもっと強めていこうと思わせてくれます。