ゾウの住むガジャ農園
ガジャは、インドネシア語で「ゾウ」を意味する言葉で、ガヨ・アチェ語ではウネンと呼ばれています。100haもの広大な農園内では、オランウータンやサイ、スマトラトラなども生息しており、豊かな自然の中でコーヒーが育てられています。ゾウというと人が乗っているのを連想できる温厚そうなイメージですが、実際は獰猛な動物であり人の手ではどうすることもできないため、まるで天災のように過ぎ去るのをただ待つようです。毎年、トラによる事故よりもゾウによる事故の方が多いことからも見て取れますね。ゾウに踏みつぶされることなく、多くの野生動物と共存しながら育つコーヒーはたくましく、味わいからもその力強さを感じることができます。
この農園で植えている品種は、アテンとアユンダ。アテンは「THE・インドネシア品種」ともいえる、インドネシアでは代表的な品種です。コンパクトで収量も多く、その育てやすさが売りです。アユンダは、アテンとティムティムの交配種。東ティモールで発見されたハイブリッド品種でさび病耐性があるティムティムがかけ合わさることで、収量の多さと病気への耐性を兼ね備えた品種になっています。