フィリピンのコーヒー生産と栽培環境
フィリピンにおけるコーヒー栽培は、18世紀のスペイン統治時代に、アラビカ種のコーヒーが植えられたことに始まります。
19世紀後半には、一時的に世界第4位のコーヒー輸出量を誇るまでに成長したものの、さび病の蔓延などを受け、コーヒー産業は低迷していきました。
20世紀後半には、ロブスタ(カネフォラ)種の大量生産が主流となり、近年ではスペシャルティコーヒーへの注目も高まり、品質を重視した生産へと方向転換する生産者も徐々に増えています。
フィリピンは7,000以上の島々からなる島国です。主なコーヒー生産地には、ルソン島のベンゲット州、ミンダナオ島のブキドノン州や南コタバト州、ビサヤ諸島のネグロス島などがあります。標高800~1,800メートルの地域にコーヒーの栽培地が点在し、それぞれの地域で独自の風味特性をつコーヒーが生産されています。
多様な標高や土壌環境に恵まれたフィリピンでは、アラビカ種やロブスタ種に加え、希少なリベリカ種やエクセルサ種の4大種のコーヒーが栽培されていることも特徴です。