エチオピアの品種・在来種って? - イルガチェフェ コケ ナチュラル - 【海ノ向こう編集室】
こんにちは。産地担当の山本です。
現在、海ノ向こうコーヒーでラインアップしているエチオピアコーヒーの中で、個人的に一番好きなのはイルガチェフェ コケ ナチュラル。ほのかにウォッシュの印象も漂わせる、とても特徴のあるコーヒーです。ナチュラルを乾燥させる時に乳酸発酵が起きるため、ミルキーでヨーグルトのような素晴らしい香味に仕上がっています。明るい酸味もあり、焙煎度合いや焙煎方法によって表情を変えてくれるコーヒー。ナチュラルにはそれぞれ特徴があるため、お店のカラーによって使い分けていただいているお客様が多いようです。
エチオピアのコーヒーといえば…
産地では、イルガチェフェ・シダモ・グジ・ハラー・ジマ・ベンチマジが有名ですが、その中でもオロミア州と南部諸民族州(SNNPR)に集中しています。ちなみに、イルガチェフェが属しているのは、SNNPRです。ほんの10年前までは「オロミヤ州の西部はあまり品質が良くないよね」といわれていましたが、今ではアピアランスも綺麗で、品質の高いコーヒーを産出しています。また日本の市場ではイルガチェフェが強い人気を誇っていましたが、最近ではグジなど他の地域のクロップもよく目にするようになってきました。
エチオピアの商品説明を見ると、しばしば在来種やエアルーム、原種と表記されていますが、実はそれぞれの品種にはちゃんと名前がつけられています。他の生産国と同じように、エチオピアにもコーヒー研究所(JRC, Jimma Research Center)があり、そこでは30以上の品種が研究されています。しかし、名前といっても番号がつけられているだけ。特に74110、74112、741、74140、74158、75227、74148、744、7440、そして74165が使用されていますが、一見分かりにくく広く知られていません。エチオピアの現状として、(そのほとんどが番号であるとはいえ)上記のような名前があるものと未だに名前のないものが入り乱れているので、一般的には「在来種」とひとくくりにされています。しかし、少しでも実際に中を覗いてみると、「品種ってたくさんあるんだなぁ〜」と改めて感じますよね。詳しくは、こちらをご覧ください。
研究対象となった品種の苗木や種は農家さんに提供され、それぞれの産地で広く栽培されています。例えばゲシャビレッジ農園など、大きめの農園にはニーズに合わせた苗木が提供されており、今後も新しい品種が出てくる予感。ちなみに、苗木販売は小農家にとって大切な収入源でもあるため、自分たちが収穫した種や育てた苗木を、近所の研究所支局や苗木センターに提供しているようです。
ぜひ、イルガチェフェ コケ ナチュラルをお試しください。
「コーヒーって面白い、ずーっと調べていたい」と思いますが、マーケットあってのコーヒーなので、海ノ向こうコーヒーの宣伝も少し……。まだイルガチェフェを試したことない方、ぜひ一度弊社のクロップを試してみてください。相場が上がっている今でもお買い得。特にコケ ナチュラルの乳酸菌発酵の香味をお楽しみいただきたいです。
気になることがありましたらいつでもご連絡ください。では、またお会いしましょう。
TOPIC
3年ほど前にコナの買い付けでハワイを訪れた際、現地にある農業研究所の品種開発農場では、エチオピアの品種とコナティピカがかけ合わされている様子を目にしました。コーヒー栽培が好きな僕にとって、とてもワクワクする視察でした。