ペルーコーヒーの魅力と新たな産地の動き - アンデスブルー -【海ノ向こう編集室】


ペルーの農家さん


ペルー。正式名をペルー共和国。人口約3,199万人(2018年、世銀)で、国土面積が129万㎢。そのうち、コーヒー従事者は10万人以上、15万ヘクタール以上をコーヒー栽培農地として使用しています。ICO加盟国であり、国番号は30番(麻袋に記載されている番号)。気候は大きく3つに分かれ、国土の60%ほどの東側(Amazon Rainforest)熱帯と国土の11%の西側(Coast)乾燥帯、そして国土の残り30%の温帯から寒帯まで有する中部地方(Highland)です。1700年代にコーヒーがペルーに導入されたようですが、その経緯は未だ分かっていません。カリブ海系のコーヒー品種とよく似ている様子で、中米よりも早く導入されているようです。導入後100年間で順調にコーヒー栽培がペルー全土に広がっていき、主に小農家さんがコーヒー栽培を採用し、自分たちの小さな農地に植え始めました。当時収穫されたコーヒーは主に国内消費で使用されていたようです。そんな中アジアでさび病の被害が大きく広がり輸出用のコーヒーが減少。供給のために各消費国が新しい産地へと目を向け始め、ペルーコーヒーが注目されたといわれています。


ペルーの産地情報
引用元:Volcafe Peru

新しい産地として注目されていた当初、ヨーロッパ諸国(特にイギリス)の資本により大きな農園が数多くあったようですが、2つの大戦によりそれらは消滅して、小農家さんが栽培する導入当初の状況に戻りました。その後、大手資本が入らなかったため、国際協力の組織プロジェクトなどにより生産者組合が数多く設立、統合され、認証コーヒーが数多く生産されるようになりました。現在でも30%以上の小農家さんが生産者組合に属しており、組合単位で品質向上、生産向上、生活向上を目指して活動しています。




ペルーコーヒーの産地 〜North, Central, South〜


ペルーの産地情報
引用元:Volcafe Peru

ペルーの主なコーヒー産地は東部・中部・南部における、中部。その北から南まで生産されています。標高800~2000mと幅広く、それぞれの産地で香味に特徴があります。低地のコーヒーはマイルドな酸味とボディ、ナッツや花といった香味になる傾向があり、標高が高くなるほどに酸味が鮮やかになり、フルーティな香味が感じられるようになります。

日本で有名なペルーの生産地域といえば、北西部にあるカハマルカ州やアマゾナス州。海ノ向こうコーヒーで扱っているペルー アンデスブルーも、カハマルカのラ・カピージャ地区の小農家さんの商品となります。鮮やかな酸味とフルーティでナッツのような香ばしさを有する産地です。マイクロロットも数多くあり、フルーツ感たっぷりのコーヒーも生産されています。北西部以外にも生産地域が数多くあり、中部でもワヌコ・パスコ、そして南部のクスコ・プーノなどがあります。南部でも良質なコーヒーが採れますが、品質にブレがあるので日本向けに輸出される量が少ない現状もあります。

先日知り合ったAyaymama Coffeeという会社のセバスチャンさんとお話する機会があり、ペルーコーヒーについて色々と伺いました。彼が扱っているコーヒーは、主に中部パスコ周辺で、様々な生産者グループとお付き合いがあり、中にはゲイシャ種を育てているグループもあるとのこと。飲ませてもらった焙煎豆のサンプルは、ゲイシャ種特有のフレーバーがしっかりとあり、とても良質な印象でした。北西部同様、酸味に特徴があり、重厚なフルーティさのあるコーヒーが多い地域です。



品質だけじゃない、農家そして環境のために 〜The Volcafe Way, The Sustainable Development Goals〜

ペルーの小学校
引用元:Volcafe Peru

僕たちがペルー アンデスブルーという商品を扱っている理由は、香味の美味しさだけではありません。現地の輸出会社主導で、Volcafe Wayと呼ばれるSDGsに則ったサステイナブルプログラムを行なっており、約4,500名の農家さんが参加しています。このプログラムは、主にレインフォレストアラインアンス認証やオーガニック認証など、環境に配慮したコーヒー栽培の促進と生産向上を目指して農業指導を行っています。また、子どもたちへの教育を促進するために学校設立をしており、現在までに10箇所に小学校を建設しました。

買い続けることで可能になる、サステイナブルなコーヒー生産。品質だけでなく農家さんの生活にも良いインパクトを与えられるプログラムとなっています。現在取り扱っているペルー アンデスブルーはこのプログラムから生まれた商品で、ペルー北部の生産者さんたちに色んな形で還元されています。



ペルー アンデスブルーの品質 〜新たな産地・農家さんとともに品質向上〜


ペルーの農家さん

今回入荷したアンデスブルーは、紅茶やレモンのような鮮やかな酸味と甘みが特徴的です。最北部カハマルカ州は近年南米随一のトップスペシャルティコーヒーの産地として定評があり、これまではハエン市周辺産地が限定的に日本に紹介されていました。新たに高品質なコーヒーを生産する条件をもった産地も開拓されており、ハエン市から南西に2時間程度の場所にあるラ・カピージャ地区もその一つ。数年前からVolcafe Wayプログラムの生産指導員が小農家さんと協業で品質向上に取り組み、スペシャルティグレードの生産が本格化してきました。この産地で生産された高品質原料を集買したものが、アンデスブルーになっています。ぜひお試しください。


香味情報

Light Roast
レモンティ、レモンキャンディの印象があり、シロップのよう甘みです。丸みのあるボディ感も良い印象です。
Medium Roast
ボディ感が良くなり、オレンジのようなジューシーな味わいが出てきます。フローラルな印象もあります。
Dark Roast
苦味と柑橘系の酸味のバランスが絶妙。甘みが強くなった、ボディ感も増して、深煎りもあっている印象です。







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