♯3 FINCA CHAPARRAL H17 Anaerobic Natural

生産地 セントラルバレー サンホセ州 サン・ラファエル・アリバ・デ・デサンパラドス
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精製 アナエロビック ナチュラル
標高 1,208-1,500m
品種 H17(カツアイ×ET59A2)
クロップ年 22/23クロップ
生産者 Don Franciscoさん
乾燥 アフリカンベッド
サイズ 15up
栽培・農薬の使用 シェードグロウン

INFORMATION

  • 梱包:30kg+グレインプロorバキュームパック
  • フレーバーノート:apple, berry, herby, cola, citric,complex, bright, sweet-finish

AREA NOTE

コスタリカのセントラルバレー内首都のサン・ホセ近くのサン・ラファエル・アリバ・デ・デサンパラドスにChaparral農園はあります。昔は数多くのコーヒー農園が点在したこの地域では、現在では、首都に近いということもあり都市化が凄まじいスピードで進んでおり、コーヒー栽培をやめてしまう農家も多い地域です。栽培環境としては、水捌けがよく、イオン交換性の高い火山性の土壌に恵まれた土地で、寒暖の差がしっかりとある冷涼な天候で、とてもコーヒー栽培に適した場所です。


BUYER COMMENTS

コーヒー生産国において、首都から近いコーヒー生産地の1つの問題として農地の減少があります。その背景にはベッドタウン化が進むにつれて地代が上昇し 、農家さんが自分の農地の手放してしまうことが挙げられます。Chaparral農園はそんなエリアにある農園でのビジネスモデルの代表として、周辺農家さん達の手本となっています。都市の発展と農地縮小は、日本でも身近な問題の1つ。今回このChaparral農園がアグロフォレストリーに力を入れて、栽培にも適しているハイブリッド品種をアナエロビックプロセスの果実感たっぷりなフレーバーで、厚みのある味わいのコーヒーに仕上げてくれました。



ご予約数量に応じてのお値引きがあります

※オプションとして+70円(税抜)/kgにてバキュームパックでのパッキングが可能です。備考欄にてご依頼ください。


STORY

農園と生産者

30年ほど昔、この農園はドン・クラウディーロ・カストロ氏の所有する大企業傘下の農園の一つだったそうです。当時は12の農園と2つの加工場を所有していたようですが、2012年ごろに娘さんに農園を渡し、現在ではドン・フランシスコさんが農園を運営しています。農園経営が移った頃、レインフォレスト認証(RFA認証)を取得し、自然環境に配慮した栽培を行う農園として転換。2016年には、私たちのパートナー輸出会社(イーコム)の農業技師の指導のもと、SMSプログラムに参加し、気候変動に強いとされる研究品種の栽培を進めています。首都近くに位置するため、都市化の動きが激しい地域ですが、今もなお存在し続けられているのは、歴史ある農園として、また環境に配慮した栽培を行う農園として常に新しい栽培方法を導入し、地域住民と共にあり続けれているからだそうです。また品質の高いコーヒーを産出する農園として、世界中のバイヤーからの人気が高くあります。その認知がコスタリカ国内にも広がっているからこそ、都市部でありながらも長く存続することができています。


品種と精選方法

このロットでは、H17と呼ばれる研究品種が使用されています。カツアイとET59A2という研究品種を掛け合わせたハイブリッド種で、別名Chicatonaとも呼ばれています。標高の高い寒冷地での栽培適正が認められており乾燥にも強い品種です。パパイヤなどのフルーティな香味が特徴で、カップクオリティが非常に高く、様々な精製方法にマッチすると言われています。
このH17のチェリーを手摘みで完熟したものだけを摘んでいき、トレスリオスにあるパタリージョウェットミルへ運搬されます。チェリーは発酵槽に入れられ48時間発酵された後、金属製の気密性の高いタンクに移され、嫌気状態でさらに48時間の発酵が行われます。この嫌気発酵の際は、タンクは温度管理ができるコンテナで保管されて外気温の影響を受けにくくする工夫が行われています。全ての発酵工程が終了した後は、チェリーのままアフリカンベッドに広げられ、手作業での撹拌作業、乾燥作業が行われます。水分値に応じて撹拌の頻度は調整され、棚に広げられた直後の最も水分値の高いタイミングでは、30分おきに一日中撹拌が行われるそうです。こうしておよそ15日間かけ、水分値が10.5%になるまでゆっくりと乾燥されたチェリーは、さらに1ケ月以上のレスティングを経てようやくドライミルに運ばれていきます。


イーコム サスティナブル・マネジメント・システム(SMS)

SMSとは輸出会社イーコムがコーヒー産地で展開しているプログラム及び独自認証システムです。世界のコーヒー消費量は年々増加する中で、気候変動による減産の可能性など、近い将来、原料確保が困難になると想定されています。SMSでは、生産者さんへの農業支援や融資、認証取得などの様々な支援を通し、品質・生産性の向上を図り、持続的なコーヒー生産を実現させるための取り組みを行っています。

コスタリカにおいては農家さん達は後述する2つの大きな問題に直面しています。①生産者の高齢化と若者の農業離れ、②気候変動による生産性の低下。これらの問題は零細農家さんが多いコスタリカでは、自分たちの力だけは解決することが容易ではありません。この問題を企業(イーコム)が入ることで、持続可能なコーヒー生産を次のように支援しています。

①生産者の高齢化と若者の農業離れに対しては、担い手不足、人手不足で運営が困難になってしまった農園を10-15年後に農園主に返還することを約束の上借り上げ、元の農園主さんと一緒に農園の運営を行っています。SMSの力を使って労働力を確保するとともに時間をかけて農園のリノベーションを進めていきます。もちろん生産や運営については、元の農園主さんの判断が最優先とされており、イーコムが管理している間も農園主さんは意思決定することが可能です。

②気候変動による生産性の低下に対しては、世界中の生産地と提携をしているイーコムの情報のネットワークを利用し、その土地にあった栽培方法を、気象データ・土壌データ・品種をもとに、それぞれの農園に提案。化学肥料に頼るのではなく、土壌の力、品種の力・管理の徹底によって生産量を高めています。導入の際には農業技師を実地に派遣し、栽培方法や品種に関するトレーニングを農園主やそこで働くスタッフに対して行っています。

さらに、このプログラムによって安定的な生産ができるようになった農園は、品質向上をさらに発展させ、スペシャルティコーヒー市場を目指すことも可能です。今回紹介するラインナップは全て、イーコムの支援により立ち直り、次のステップとして高品質なコーヒー生産に取り組んだ、農家さん達が未来へ思いを馳せた豆なのです。

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